ランニングをしていて、特に20km〜30kmやフルマラソンを走るランナーの多くが抱える悩みのひとつとして
が挙げられます。
股関節は
- 足を前に押し出す
- 着地の際に上半身を支える
などの大切な役割がある分、負担も大きい箇所でもあります。
また、ランナーだけでなく歳を重ねていくと痛みが発症する方も多く、
一度痛みが出るとなかなか取れない…
特徴があるちょっと厄介な悩みでもあります。
ここでは箇所別に股関節が痛くなる原因とその解消法を探っていきたいと思います。
股関節痛の原因
そもそも股関節は、
[kjk_balloon id=”6″]骨盤と大腿骨とを繋げる部位[/kjk_balloon]のことで、人間の身体で最も大きな関節です。

股関節周りが痛くなる原因
股関節の痛みが起こる原因として、この股関節周りに付いている筋肉部分の炎症によって起こる場合が多いとされています。

股関節を繋げる筋肉の代表として、
- 大腿四頭筋
- 内転筋
- 大殿筋 (お尻周りの筋肉)
がありますが、走ったりすることで
- STEP
筋肉が硬直していく
- STEP
骨や関節と筋肉の接合部に負担が掛かる
上図:「●」部分
- STEP
硬直した筋肉に引っ張られる
- STEP
骨盤や大腿骨の付け根部分に炎症が起こる
ことが痛みの主な原因だと考えられています。
なので、股関節周りが痛い場合、
- 大腿四頭筋と骨盤の接合部分
- 内転筋と骨盤の接合部分
- 大腿四頭筋と骨盤の接合部分てす
など、まずは
[kjk_balloon id=”6″]痛みが股関節のどの部分に感じるのかをしっかりと認識する[/kjk_balloon]ことが大切です。
その上で、どうして股関節が痛くなってしまったのか?を考えていきましょう。
股関節痛になってしまう原因

ランニングをしていて股関節痛になってしまう場合は、
- 左右の足の筋肉バランスが違う
- 左右の足に掛かる負荷が違う
- ランニングフォームが宜しくない
- 股関節周りの軟骨がすり減っている
など、様々な原因が考えられます。
左右の足の筋肉バランス/ 掛かる負荷が違う

字を書く時に利き手があるのと同じように、
[kjk_balloon id=”6″]足にも利き足がある[/kjk_balloon]とされています。
サッカー選手がボールを蹴る足だったり、幅跳び選手が踏み切る時の足だったりが代表例として挙げられていますが、知らず知らずのうちに利き足に負担が掛かる歩き方をしていると、
[kjk_balloon id=”6″]左右の足の筋肉バランスは異なる[/kjk_balloon]傾向が強くなります。
左右の足の筋肉バランスが違うと、どちらか一方の筋肉が硬直しがちになり、結果として硬直しがちな方の股関節周りが痛くなります。
この場合、
[kjk_balloon id=”2″]大腿四頭筋近辺が痛くなるケースが多い[/kjk_balloon]ようです。

また、左右の足で負荷の掛かり方が違うと、股関節の内側部分に当たる内転筋近辺が痛くなる傾向にあります。
ランニングフォームが宜しくない

ランニングフォームが
(≒猫背走り)
と呼ばれるような、骨盤の位置が落ちた状態(お腹を凹ませたような姿勢)でランニングを続けていると、お尻の後ろら辺に痛みを感じやすいとされています。
この場合、太ももの後ろ筋肉であるハムストリングスと骨盤を繋げる坐骨結節部分に炎症が起こっている可能性が高いです。

股関節周りで後ろ側・お尻部分の付け根辺りが痛む場合、
[kjk_balloon id=”6″]筋肉が極度の緊張状態になっている可能性もある[/kjk_balloon]ため、いきなり走り始めたり、急にスピードを上げたりすると
[kjk_balloon id=”6″]肉離れを起こしてしまうケースもある[/kjk_balloon]ので注意が必要です。
ランニングフォームの改善とともに、まずは筋肉の緊張を解くべく
[kjk_balloon id=”6″]ストレッチを増やしてランニング量を減らすことで痛みも改善されていく[/kjk_balloon]と言われています。
股関節周りの軟骨がすり減っている

ランナーだけに限らず運動をあまりしていない方でも高齢化とともになりやすく、特に骨盤が変形しやすい女性に多いとされているのが、
です。
骨と骨とを繋ぐ軟骨がすり減って骨同士が擦れ合うことで激痛が生じ、
- ちょっとした動きでも股関節が痛む
- 歩き始め、走り始めなどに激しい痛みが伴う
- 寝返りした時に太ももの付け根が痛む
- 動いた後、安静していると太もも部分やお尻の横辺りが痛む
といった場合には変形性股関節症の疑いが懸念されます。
上記のような際に股関節周りが痛む場合、
[kjk_balloon id=”6″]痛みを我慢するほど他の部位に負担が掛かり痛みを広げてしまい兼ねない[/kjk_balloon]ので、一度病院等で専門医に診てもらうことをおすすめします。
股関節痛のタイプ別痛み解消方法

2018年時点での最新の研究では、股関節に痛みを感じたからといって
[kjk_balloon id=”6″]ランニングやすべての運動を止める必要はない[/kjk_balloon]とされています。
痛みの程度にもよりますが、股関節に痛みが生じた時点よりもランニングの頻度やペースを落とすことで、
[kjk_balloon id=”6″]股関節に掛かる負荷を減らしながらも刺激は与えていく方が治りが早い[/kjk_balloon]と考えられているためです。
炎症を起こした筋肉は何もしないとどんどん硬くなってしまいます。
筋肉が硬直すると、一度痛みが引いても、
[kjk_balloon id=”6″]ちょっとした運動などでまたすぐに炎症を起こしやすくなってしまう恐れがある[/kjk_balloon]ため、かえって悪循環に陥ってしまうのを防ぐ意味でも頻度や強度を落とした運動は推奨されています。
もし、今すでに
- 歩くのもつらい…
- 日常生活に支障が出ている…
- ちょっとした動きで激痛が走る…
といった場合、まずは病院へお急ぎくださいませ。
ちゃんとした専門家に診てもらい痛みを改善するのが何よりです。
ここでは、あまりに激しい股関節痛の場合を除いた解消法について記載していますが、基本的にはストレッチを行うことで、
- 炎症部分の筋肉を柔らかくする
- 筋肉の質を上げる
効果が働き、筋肉の柔軟性が高くなれば、
[kjk_balloon id=”6″]骨と筋肉の接合部への衝撃負担も減るため股関節の痛みも和らぐケースが多い[/kjk_balloon]です。
股関節の前部分の痛み解消法

主に
- 左右の足の筋力バランスの違い
- 負荷の掛かり方の違い
などで起こりやすい前部分の股関節の痛みは、一般的に
[kjk_balloon id=”6″]大腿四頭筋と骨盤との付け根の筋肉の炎症が原因[/kjk_balloon]だと考えられています。
なので、まずは大腿四頭筋と骨盤との付け根の筋肉周りを重点的にストレッチしていくことで筋肉の緊張状態をほぐして行き、痛みを緩和させていきましょう。
大腿四頭筋を伸ばすストレッチ

大腿四頭筋を伸ばす太ももストレッチで効果的なのは
- STEP
真っ直ぐ立つ
なるだけ力を抜いた状態で立ちます。
- STEP
足の甲を持つ
伸ばす側の足の甲を持ちます。
この時、壁や手すり等に捕まってもOKです。
- STEP
伸ばす
伸ばす側(曲げている方)の足のかかとをお尻や背中に付けるように、ゆっくりと引きつけていきます。
- STEP
伸びているのを感じる
この時、太ももの前部分が伸びているのを実感することが大切です。
- STEP
曲げてる方の足を高く上げていく
付け根部分の筋肉も伸ばしたいので、曲げている方の足のかかとをできるだけ高く上げていくようにします。
- STEP
伸びが足りない時
曲げている方の太もも前部分があまり伸びていないように感じる場合、姿勢を保ったまま屈伸をする要領で立っている側の膝を曲げていくと伸びが強く感じられます。
- STEP
一定時間キープする
曲げている方の太もも前部分が伸びているのを感じながら、20〜30秒キープします。
- STEP
逆足も同じく
伸ばす足を変えてSTEP.1〜STEP.7を同じ要領で行います。
このストレッチは座って行う方法もありますが、立って行った方が伸びの強弱を調節しやすいので、まずはストレッチに慣れる意味も含めて立った状態で大腿四頭筋を伸ばすストレッチをすることをおすすめします。
2〜3週間行えば慣れてきますし、筋肉自体も多少柔らかくなり始めるので、そうしたら座って行うやり方に変えていきましょう。
股関節の内側の痛み解消法

主に、
[kjk_balloon id=”6″]左右の足の負荷の掛かり方の違い[/kjk_balloon]などで起こりやすい股関節の内側の痛みは、一般的に
[kjk_balloon id=”6″]内転筋と骨盤との付け根の筋肉の炎症が原因[/kjk_balloon]だと考えられています。
なので、まずは内転筋と骨盤との付け根の筋肉周りを重点的にストレッチしていくことで筋肉の緊張状態をほぐして行き、痛みを緩和させていきましょう。
内転筋を伸ばすストレッチ.1

内転筋を伸ばすストレッチのひとつに開脚ストレッチがあります。
- STEP
座って両足を前に
この時、なるだけ力を抜いた状態にします。
- STEP
両足を開く
両足を無理ないところまで開いていきます。
- STEP
上半身を倒していく
ゆっくりと痛くなりすぎないところまでなるだけ上半身を倒していきます。
- STEP
伸びているのを感じる
この時、太ももの
- 内側部分
- 膝の後ろ辺り
が伸びているのを実感することが大切です
- STEP
足があまり開かない場合
足の開き具合はちょっとでも問題ありません。
無理ないところまで広げられれば充分です。
その場合には、なるだけ背筋を伸ばしたまま前に倒していくようにすると、太ももの内側部分・膝の後ろ辺りが伸びているのを実感しやすくなります。
- STEP
一定時間キープする
伸びているのを感じながら、20〜30秒キープします。
内転筋を伸ばすストレッチ.2

もうひとつ、内転筋を伸ばすストレッチのひとつとして立開脚ストレッチがあります。
- STEP
真っ直ぐ立つ
なるだけ全身の力を抜いた状態にします。
- STEP
両足を開く
だいたい肩幅くらいに両足を広げます。
- STEP
腰を落とす
両足の位置を固定したまま、ゆっくりと腰を落としていきます。
- STEP
伸びているのを感じる
この時、太ももの
- 内側部分
- 股関節の付け根あたり
が伸びているのを実感することが大切です
- STEP
肩を入れる
もっと伸ばしたい時には、左右の肩を交互に身体の中心へ持っていくようにするとより伸びを感じることが出来ます。
- STEP
しっかり伸ばす
伸びているのを感じながら、10〜20秒伸びている姿勢をキープします。
股関節の後ろ側の痛み解消法

主に、
- ランニングフォームが後傾姿勢
- 急にスピードを上げる走り方やトレーニングをした
- 急激な激しい運動
などで起こりやすい股関節の後ろ側の痛みは、一般的に
[kjk_balloon id=”6″]お尻の辺りにある大殿筋と骨盤との付け根の筋肉の炎症が原因[/kjk_balloon]だと考えられています。
なので、まずは大殿筋と骨盤との付け根の筋肉周りを重点的にストレッチしていくことで筋肉の緊張状態をほぐして行き、痛みを緩和させていきましょう。
大殿筋を伸ばすストレッチ

大殿筋を伸ばすにはもも裏ストレッチが効果的です。
- STEP
仰向けになる
なるだけ力を抜いて寝っ転がった状態にします。
- STEP
片方の太ももを抱える
無理のない範囲でなるだけ膝を胸に近づけていきます。
- STEP
膝を伸ばす
この時、太ももの裏側や坐骨辺りが伸びていることを感じることが大切です。
また、背中全体がなるだけ床に着いていると伸びを感じやすくなります。
- STEP
体勢キープ
伸びているのを感じながら、10〜15秒ほどその体勢をキープします。
- STEP
効果を高める
さらに大臀筋周りの筋肉をほぐしたいときには、STEP2とSTEP3をゆっくり10回ほど繰り返すとより効果的です。
- STEP
逆足も行う
伸ばす足を変えてSTEP2〜STEP4(STEP5)を行います。
左右のバランスを整えるうえでも、左右両足ストレッチすることが大切です。
股関節の筋トレで痛みの再発を防ぐ

股関節の痛みとして多い、
- 前部分
:大腿四頭筋 - 内側
:内転筋 - 後ろ部分
:大殿筋
の原因と、痛みを緩和し得るストレッチについてそれぞれ見てきましたが、股関節痛の再発を防ぐためには股関節周りの筋力アップも必要になってきます。
そこで、股関節周りに効く
- 単幹力アップ
:ランニングフォームの改善が見込める
のための器具を使わないでできる股関節周りの筋トレをひとつご紹介します。
股関節周りの筋トレ
- STEP
真っ直ぐ立つ
なるだけ力を抜いた状態にします。
- STEP
片足立ちで手足を伸ばす
片足で立ちながら、手と足をなるだけ水平になるように伸ばしていきます。
- STEP
背筋を意識する
伸ばしている時に、なるだけ背筋を伸ばすことを意識するとより効果的です。
- STEP
交互に行う
体勢を戻し、逆足でSTEP.2〜STEP.3を行います。
これを交互に、まずはそれぞれ10回を目安に続けていきます。
この股関節周り筋トレは、続けていくことで
- 大腿四頭筋
- 大殿筋
- 足腰
- 体幹
など広範囲に渡って効いてきますので、股関節周りの筋トレとして
[kjk_balloon id=”2″]プロランナーの多くも取り入れている方法[/kjk_balloon]だそうです。
股関節痛との向き合い方

ランニングをして股関節周りが痛くなる原因とその解消方法となるストレッチをメインにみてきましたが、股関節痛は残念ながらすぐ完全に治る痛みではありません。
ですが、痛みがあるということは、それまで
[kjk_balloon id=”5″]何かしら宜しくなかったことが原因で引き起こされる身体のサイン[/kjk_balloon]でもあります。
なので、股関節に痛みを感じた場合には、
- どこが痛むのか?
- どの程度の痛みなのか?
をまずはしっかりと認識して、適切なケアを行っていくことが大切です。
また、股関節痛の場合、重度の痛みを除いては
- 量やペースを減らす必要はあるものの運動自体は出来る
- 痛み解消の方法がストレッチや筋トレが多く、身体の改善を図りながら治せる
というメリット?もありますので、ゆっくりしっかりと向き合ってケアしていくことが今後の自分のためにもなり得ます。