ランニングをしている誰もが一度は経験する?とされる膝の痛み。
軽度な痛みならすぐに改善できる場合もありますが、
放っておいたり痛みに耐えて走り続けていると後々よろしくない
ものまで、膝の痛みはそれぞれです。
ただ、膝が痛くなる原因が分かれば対策も立てやすいですし、不安も解消されます。
ここでは多くのランナーが経験している膝の痛みの原因を大まかな種類で分けて、その対策と解消法を記載してみました。
走れなくはないけど、何かちょっと膝痛いな…
といった際のチェック項目的なニュアンスで捉えていただけると幸いです。
もし今すでに
- 歩くのもつらい…
- 日常生活に支障が出ている…
- 座ったり立ったりするだけでピキッとくる…
といった場合、まずは病院へお急ぎください。
ちゃんとした専門家に診てもらい、膝の痛みを改善するのが何よりです。
膝のどこがどんなときに痛むのか?

膝の痛みは大きく分けて、
- 膝の外側
- 膝の内側
- 膝のお皿部分
- 膝全体
の4パターンがあるとされています。
そのため、ランニングをしていて膝が痛くなった場合、まずは
をしっかり認識することで痛みの原因が絞りやすくなります。
膝の外側が痛む場合

ランニングをしていて膝が痛くなった場合、
膝の外側に痛みを感じる方が多い
とされています。
そのため、膝の外側の痛みは
とも呼ばれており、
- もともとO脚
- 着地の際に足の外側に体重が掛かりやすい走り方
の場合、膝の外側に負荷が掛かり痛めてしまうのが原因だと考えられています。
症状としては
と診断されるケースが多く、特徴としては
- 階段の昇り降り
- 坂道を走っているとき
- ちょっと大股で歩いたり走ったりした時
- スピードを上げようと踏ん張った時
などに膝の外側が痛くなる傾向があります。
膝の外側が痛む場合の対策

基本的には、
- ランニングフォーム
- 着地の仕方
を改善することで、膝の外側の痛みは和らぐ
とされています。
膝の外側に痛みがある場合、
- 普段の歩き方がもともとO脚
- (ランニングで)着地の際に、足裏の外側部分に体重が掛かっている
ことが原因と考えられているため、
- 姿勢を正す
- 足裏全体で軽やかな着地をする
ことを意識して走るだけでも痛みが軽減されるケースが多々見受けられます。
また、走り終わった際には
- 膝の外側を中心にアイシングする
することが推奨されています。
ランニング後にシャワーを浴びるときなど、
最後にシャワーを冷たい水にして、膝の外側を中心に掛け続ける
だけでも痛みが和らぎやすくなります。
ただ、歩き方や走り方などは長年のクセになっている場合も多く、ランニングフォームはなかなか変えるのが難しくもあります。
そんな時には、その場しのぎ的な感じにはなってしまいますが
- 外側から内側に巻くような膝のサポーター
- 外側が厚くなっているソール
- 外側が厚く、クッション性に優れているシューズを選ぶ
などで補うと痛みは緩和されます。
[itemlink post_id=”4236″]
また、
走っている道の状態が
- 凹凸し過ぎている
- コンクリートばかり
だったりすると、余計に膝の外側に負担が掛かりやすい
ため、
- 走っているコースを変えてみる
ことも膝の痛みを和らげるのに適切な対策だと言えます。
膝の外側が痛い時の主な対策まとめ
ランニング時
- 姿勢を正して走る
- 足裏全体で軽やかな着地をする
ランニング後
- 膝の外側を中心にアイシングする
アイテム使用
- 外側から内側に巻くような膝のサポーターを付ける
- 外側が厚くなっているソールの使用
- 外側が厚くクッション性に優れているシューズを選ぶ
外的原因対策
- 普段走っているコースを変えてみる
膝の内側が痛む場合

膝の内側に痛みを感じる場合、普段の歩き方や
ランニングの着地に際に、足の内側に体重が掛かりやすい走り方をしている
ことが原因だと考えられています。
- もともとX脚
- 土踏まずが浮かずに地に付く様な歩き方や走り方
だと膝の内側を痛めやすい傾向にあります。
症状としては
と診断されるケースが多く、特徴としては
- 走り始め
- ダッシュュしようとした時
- 坂道などの上り
などに膝の内側が痛くなる傾向があります。
また、
膝の内側と同時に、ふくらはぎや太ももの内側部分も痛みを感じる
のも特徴のひとつです。
普段はそこまで痛みを感じなくても、
ランニング後などにちょっと
- 膝の内側
- ふくらはぎ
を軽く押した時に痛みを感じる
傾向があります。
膝の内側が痛む場合の対策

膝の内側に痛みがある場合、同箇所だけでなく
- ふくらはぎ
- 太ももの内側
といった箇所にも痛みが出る傾向があります。
そのため、
複数箇所の筋肉が凝り固まってしまっているため痛みが出る
ことが多いため、できるなら
普段の歩き方や走り方、ランニングフォームを改善するのが長い目で見た時には最も効果的
普段の歩き方や走り方、ランニングフォームを改善するのが長い目で見た時には最も効果的
ではあります。
が、身についてしまっているものを改善していくにはある程度長い期間が必要になってきます。
そこで、まずは凝り固まった複数箇所の筋肉をほぐしていくための
- 開脚屈伸運動
- 太ももの内側を伸ばすストレッチ
- アキレス腱を伸ばす
などのストレッチやマッサージが痛み改善には効果的です。
また、
- 膝の内側の痛み
- ふくらはぎの痛み
- 太ももの内側の痛み
は股関節の痛みと似た原因が多いため、実際のストレッチ方法などはこちらが参考になるかもしれません。
ちなみに、近年では多くの矯正サポートも充実しているため、
- 内側から外側に巻くような膝のサポーターを付ける
- アーチサポート(土踏まず補正)のあるソックスを履く
- 土踏まず部分が分厚くなっているソールを入れる
- 靴裏の内側部分が厚く、クッション性に優れたシューズを履く
ことで痛みが改善される傾向があります。
[itemlink post_id=”4240″]
[itemlink post_id=”4239″]
上記を踏まえた上で、徐々にでも着地の仕方などを足裏の内側部分の負担が少ない歩き方や走り方に変えていくと、膝の内側の痛みも解消されやすくなります。
膝の内側が痛い時の主な対策まとめ
日常でのケア
- 膝の内側、太ももの内側、ふくらはぎをほぐすストレッチ
アイテム使用
- 内側から外側に巻くような膝のサポーターを付ける
- アーチサポートの使用
- 内側が厚くクッション性に優れているシューズを選ぶ
膝のお皿部分が痛む場合

ランニングに限らず何かしらの運動をしている場合、膝のお皿周辺に鋭い痛みを感じる方は少なくありません。
とも呼ばれている症状で、
- バスケットボール
- バレーボール
- ハンドボール
など、ジャンプを頻繁にするスポーツをしている方に多く見られる傾向があります。
ランニングは頻繁にジャンプする運動ではないですが、ランニングが原因で膝のお皿部分に痛みを感じるようになった場合、
太ももの前部辺りに負荷が掛かる走り方をしている
ことが主な原因と考えられており、
ランニングフォームがちょっと前傾姿勢になっている方に多い膝の痛み
とされています。
症状としては
と診断されるケースが多く、平坦な道だったり傾斜の上りでは特に痛みはないものの、
- 階段や坂道の下り
のときに膝のお皿部分が痛くなるのが特徴です。
膝のお皿部分が痛む場合の対策

膝のお皿部分の痛みは前傾姿勢で走っているで引き起こりやすいと考えられえているので、基本的には
ランニングフォームを改善していく
ことで膝のお皿部分の痛みは和らぐとされています。
具体的には、
- 下腹部に力を入れるような意識で背筋を真っ直ぐにして走る
- ランニングスピードを少し緩める
と症状が良くなるケースが多々見受けられます。
前傾姿勢で走る方は、ちょっと無理なフォームでスピード上げようと努力されている場合も多いため、まずは
走るスピードをちょっと緩めて、正しいランニングフォームを身につけていく
ことが膝のお皿部分の痛みを解消するには大切です。
ただ、歩き方や走り方などは長年のクセになっている場合も多く、ランニングフォームはなかなか変えるのが難しくもあります。
そんな時には、
- 膝全体を覆うようなサポーター
- 足のつま先部分が固くなっているソール
- クッション性に優れているシューズ
などを使うことで、痛みは和らぐ傾向にあります。
また、ランニングを始めてあまり月日が経ってないのに膝のお皿部分に痛みを感じ始めた場合には、
ランニングに必要な筋肉が出来ておらず、膝に負担をかけている
ことが原因で痛みが出ている可能性もあります。
その場合には、
- スクワットなど膝に負荷が掛かる筋トレ
- 太ももの前後を伸ばせるストレッチ
を普段からちょっとずつしていくだけでも、膝のお皿部分の痛みは緩和されやすくなります。
加えて、
走っている道の状態が
- 凹凸し過ぎている
- コンクリートばかり
だったりすると、余計に膝に負担が掛かりやすい
ため、
- 走っているコースを変えてみる
ことも膝の痛みを和らげるのに適切な対策だと言えます。
膝のお皿部分が痛い時の主な対策まとめ
ランニング時
- 背筋を真っ直ぐ伸ばしたランニングフォームを身につける
- ランニングスピードをちょっと落とす
アイテム使用
- 膝全体をカバーするサポーターを付ける
- 足のつま先部分が固くなっているソールの使用
- クッション性に優れているシューズを選ぶ
筋力を付ける
- スクワットなどの実践
- 太ももの前後を伸ばすストレッチをする
外的原因対策
- 走るコースを変えてみる
膝全体に痛みがある場合

膝全体が痛む場合、その症状は大きく分けて
- 変形性膝関節症
- 膝半月板損傷
の2パターン考えられます。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は
膝の軟骨の磨り減りが原因で痛みが出る場合がほとんど
だとされています。
また、
膝関節部分が炎症を起こしている
ときにも痛みが生じます。
変形性膝関節症は
- O脚
- X脚の方がなりやすい
とはっきり分かる方がなりやすい
とされており、症状としては
- 階段の上り下り
- 走り始めてすぐ
- 屈伸運動をした時
などに膝全体が痛くなるのが特徴です。
膝全体が痛む変形性膝関節症の対策

変半月板損傷の疑いがある場合、基本的には
膝への過負荷が原因
となる傾向が強いため、まずは
- アイシングをする
- しっかりと休む
ことが大切です。
が、ランニングや膝に負担の掛かる運動をしばらく止めても痛みが治まらない場合には、
病院や専門医でちゃんと診察してもらう
ことをおすすめします。
半月板損傷の程度が大きいと自然回復が難しいケースもあり、場合によってはその後の生活に支障をきたしてしまう場合も見受けられます。
なので、痛みを我慢して無理にランニングを続けるのではなく、
今後のためを思って早めのうちに正しい処方を受ける
ことが大切です。
膝半月板損傷
膝の半月板が損傷している場合、一般的には損傷している外側か内側に痛みが出ますが、どちらも損傷している場合には膝全体に痛みを感じます。
膝全体の痛みに加えて、
- 膝がカクカクする
- 屈伸運動をした時などパキパキと音がする
のが特徴で、主な原因としては、
- 長時間走り過ぎ
- ハードワークし過ぎ
- アップダウンを繰り返している
- 短期間でのオーバーワーク
などが挙げられます。
膝全体が痛む半月板損傷の対策

半月板損傷の疑いがある場合、すでに膝の軟骨がすり減っている可能性がありますので、
ランニングは一旦止めて、しっかりと治療に専念
することを強くおすすめします。
膝の全体の痛みには基本的に
- アイシングをする
- 痛みが引くまで安静にする
- 膝関節周りの筋力を付ける
などが効果的はとされていますが、慢性的に膝全体が痛い場合には一度病院等で診察してもらうのが何よりです。
痛みを我慢してランニングを続けていると、軟骨が余計にすり減ってしまい快復もどんどん遅れてしまいます。
また、年数が経つに連れて痛みが悪化する場合もあるので、早めに正しい処方をされることが大切です。
膝全体が痛い時の主な対策まとめ
一般的な膝全体の痛み
- 膝全体をアイシングする
- 痛みが引くまで安静にする
- 膝周りの筋力を付ける
変形性膝関節症の疑いがある場合
- 膝全体をアイシングする
- しっかり休む
半月板損傷の疑いがある場合
- ランニングは一旦ストップ
- 病院や専門医に診てもらう
ランニングで膝が痛くなる4大原因

ランニングをしていて膝が痛くなる原因を
- 膝の外側
- 膝の内側
- お皿部分
- 膝全体
の4タイプに分けて見てきましたが、共通の原因としては
- ランニングフォームがよろしくない
- ランニングシューズが合っていない
- ランニングコースの状態
- オーバーワーク
の4つが挙げられます。
逆に言えば、
- 背筋を真っ直ぐ伸ばしたランニングフォームで、
- 自分に適したソールやシューズを履き、
- なるだけコンクリートを避けて、
- 適度に走らない日を作りながら、
ランニングをすることで、膝の痛みをあまり感じずに続けていくことができると思います。
ですが、膝の痛みが出るってことは
自分のランニングスタイルのある種の改善シグナル
でもあります。
どんな時に膝のどの部分が痛むのか?
をしっかりと認識して対策をしていくことで、膝の痛みが解消された時には、それまで以上に快適なランニングができるかもしれません。